リターン・トゥ・フォーエヴァー

チック・コリア

70年代に入って、ジャズは大きな転換期を迎えた。マイルス・ディヴィスがエレクトリックジャズの可能性を追求する一方、60年代に大きな潮流となっていたフリージャズが行き詰まりを見せ始めたのだ。
そうしたなか、チック・コリアは、アコースティックサウンドとエレクトリック楽器を無理なく融合させると同時に、メロディアスで親しみやすい曲想をもったこのアルバムを制作、世に問うた。明るく開放的でありながら高度の演奏力から生まれる心地よい緊張感をもったこの作品は、たちまち多くのファンの心をつかみ、ジャズアルバムとしては異例の大ヒットとなった。そしてこのアルバムを1つの転機として、70年代ジャズは、いわゆるフュージョン現象を迎えることとなる。(後藤雅洋)

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