ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14, 序曲「宗教裁判官」

エクトル・ベルリオーズフランソワ=グザヴィエ・ロトレ・シエクル

  • 名盤
フランソワ=グザヴィエ・ロトとレ・シエクルによる最新録音「幻想交響曲」。初演当時の楽器によるクリアな響きは「幻想交響曲」の新しいスタンダード。

ベルリオーズの幻想交響曲は、1830年、ベートーヴェンの交響曲第9番の初演からわずか6年の作ながら、ハープや鐘をはじめ、オフィクレイドやセルパンといった特殊管楽器も駆使し、オーケストレーションに革命をもたらしました。

性能の向上した今日のオーケストラは、オフィクレイドやセルパンを他の管楽器で代用し、その他にもオリジナル同等の効果を再現できるように改変されています。しかしロトは発表された当時の形へ戻すことで、ベルリオーズの頭の中で鳴っていた音響と効果を忠実に再現しようと試みました。彼はパリ国立図書館所蔵の幻想交響曲自筆譜やスケッチなどを丹念に調べ、できる限りの復元を行ないました。

レ・シエクルはもちろんピリオド楽器を用いています。2本のオフィクレイドは1837年製と1860年製、セルパンは19世紀ボドワンの複製を用いています。またハープは現在主流の2台ではなく、4台それも20世紀初頭のエラール製を指揮台の両脇で奏し、終楽章で活躍する鐘はスコアに指示された通りのものを、2013年にベルリオーズ・フェスティバルで鋳造したので、それを借りています。

もうひとつ嬉しいのが、珍しい初期作品の序曲「宗教裁判官」をとりあげていること。もちろんピリオド演奏は初めての録音ですが、すでに大オーケストラを用い、幻想交響曲の萌芽が見られ興味津々です。

ロトの音楽作りはきわめて大きく、物凄いエネルギーが伝わってきます。解釈も演奏経験や研究から10年前とは比べものにならないほどの充実ぶり、もちろんヴィブラート控え目で、エレガントな歌い回しなどではベルリオーズがフランスの作曲家だったことを再認識させてくれます。2019年録音で、ベルリオーズならではの狂気じみた強奏も豊かに響く録音も極上。幻想交響曲の認識をくつがえす超注目盤の登場です!

(輸入元情報)


【収録曲】
ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14
序曲『宗教裁判官』 Op.3

【演奏】
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
レ・シエクル

【録音】
2019年7月16,17日
アルフォールヴィル(場所)
ステレオ(デジタル)

【レーベル】
ハルモニア・ムンディ

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