陳銀淑(チン・ウンスク、Unsuk Chin)

欧米の音楽史に名を残す、初めてのアジア出身で女性の作曲家

陳銀淑(チン・ウンスク、Unsuk Chin)(1961年ー)は、大韓民国出身の現代音楽の作曲家。作品はベルリンフィルハーモニーやロントン・シンフォニエッタ、アンサンブル・アンテルコンタンポラン等、世界の著名なオーケストラやアンサンブルで演奏される、ヨーロッパでも重要な作曲家だ。欧米の音楽史に名を残す、初めてのアジア出身で女性の作曲家と言えるだろう。

現代音楽なのに明るく垢抜けた音楽

韓国で作曲家の姜碩煕に師事し、その後ハンブルグでジョルジュ・リゲティに師事。特徴的な細かい音を積み上げる速いパッセージは、師である姜碩煕やリゲティの影響を感じさせたが、その後、有機的で躍動感のあるパッセージと独特のオーケストレーションでファンタジックな独自の音楽へと昇華させた。ルイス・キャロルから着想を得た『Akrostichon-Wortspiel 折句-言葉の遊戯~ソプラノと管弦楽のためのおとぎ話からの7つのシーン』(1991/93)、『二重協奏曲_ピアノ、打楽器とアンサンブルのための』(2002)は初期の代表作。混沌としたアジアの街を彷徨う旅芸人や奇術師を連想させる”架空の民族音楽”『Gougalon:Scenes from a Street Theater』(2009/2011)の、奇想天外でシャーマニックな響きは、まさにウンスク・チンならではの作品。そして、初のオペラ『不思議の国のアリス』 (2004-07、2011-12改訂)では、ウンスク・チンの多様な響きのパレットを存分に味わうことができる。

主な作品

チン・ウンスクとチョン・ミュンフン
チョン・ミュンフン(左)とチン・ウンスク(陳銀淑)(右)
CD:3つの協奏曲(ドイツグラムフォン)
オペラ『不思議の国のアリス』
オペラ『不思議の国のアリス』

チン・ウンスク(陳銀淑)インタビュー
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