澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド

渋沢龍子(編)沢渡朔(写真)

書棚に並ぶ本、壁にかけられた美術、机上に無造作に置かれた文具類や小物・・・、アーティストのアトリエや書斎はどうしても注目してしまう。
フランス文学者、作家、エッセイストとして、圧倒的な支持を受けた澁澤龍彦の、自ら「ドラコニア」と名づけた「龍彦の領土」には、澁澤龍彦の少年のような無垢な心を感じさせるオブジェが今も息づいている。本書は、それらのオブジェを、写真家・沢渡朔があるがままにとらえた写真と、澁澤龍彦自身の文章で構成した、ドラコニア・ワールドのオブジェ編であり、サド、エロチシズムと並ぶ澁澤龍彦の主要なテーマ「オブジェ」を具体的に浮かび上がらせたものである。

【目次】
プロローグ(私のコレクション過ぎにしかた恋しきもの)
1 髑髏の巻(髑髏絵のある石 ほか)
2 アストロラーブの巻(アストロラーブ、時計 ほか)
3 人形の巻(四谷シモン、ベルメール ほか)
4 庭へ(声、日時計)
あとがき