レ・シエクル『春の祭典』!(フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮))東京オペラシティ

2018年6月12日(火)東京オペラシティで、待ちに待ったレ・シエクルのコンサート。
アジアツアーのようだけど日本公演はこの日だけ。

レ・シエクルは、指揮者のフランソワ=グザヴィエ・ロトによって2003年の夏に結成されたアンサンブルで、バロックから古典派、ロマン派、そして現代に至るまでの膨大な楽器コレクションを持ち、作品に合わせて、それぞれの時代に使われていた楽器を使用する。
特にドビュッシー、ストラヴィンスキー、ラヴェルといった20世紀前半の作品を、当時の楽器で演奏するアンサンブルやオーケストラというのは稀な存在だと思う。

今回の来日公演のプログラムは、ドビュッシー『牧神の午後への前奏曲』『バレエ音楽《遊戯》』ラヴェル『ラ・ヴァルス』そして、ストラヴィンスキー『バレエ音楽《春の祭典》』といった、バレエ・リュスに因んだプログラム。日本公演のチラシには記載はないが、レ・シエクルのウェブサイトをみると、ツアーのタイトルが『THE BALLETS RUSSES IN CHINA AND JAPAN』となっている。そして

Compagnie Association du 48
Dominique Brun, reconstitution et re-création chorégraphique

と記載があるので、中国公演では、当時の振り付けによるバレエもあったのかもしれない。

そうだとしたら、とっても羨ましいなあ・・・

演奏はというと、もう素晴らしいの一言。特に前半最後の『ラ・ヴァルス』は、官能と狂気、そして幻想的な迫力ある演奏で、今にも会場が踊り出しそうなグルーヴ感。この作品を、傑作と認めるも、受け取らなかったディアギレフもさぞ後悔しただろうと思う。れ・シエクルには是非、録音してほしい。

そして『春の祭典』。ところどころ旋律を流麗に歌うところがとても素晴らしかった。

本当に、勢いと迫力ある演奏は、クラシックのコンサートというより、ライブ!といった感じで、生き生きとした音によって、幻想の世界に導かれ、終演後も暫く席を立ちたくなかった。まさに名演。

近々機会があればもっと観たいとおもったら、2019年3月2日と3日は、香港アートフェスティバルに出演するらしい。
https://www.hk.artsfestival.org/en/programmes/music-les-siecles-berlioz-150/
ベルリオーズの没後150周年ということで、プログラムはベルリオーズ。ただ指揮者はロトではないようで、まだ30代前半の若手指揮者 マキシム・パスカル。(マキシム・パスカルは2月に日本で宮本亜門の演出による黛敏郎の『金閣寺』を指揮するようだ。)ちょっと香港まで観に行こうかな。

フランソワ=グザヴィエ・ロト[指揮]レ・シエクル《春の祭典》