『ワルツ』(「他人の顔」より)武満徹

今日2月20日は作曲家、故 武満徹の20回目の命日だ。1996年2月20日に武満徹が他界してすでに20年が過ぎた。ぼくは1995年くらいに現代音楽に感心を持ったので、リアルタイムでは晩年の姿しか知らないが、一度だけ、作品が演奏されるコンサートで見かけたことを覚えている。ということで、作品を聴いたり著作を読んだりするのも、ほとんどが亡くなってからだ。それでも『武満徹全集』などを通じて聴くことのできる作品はほぼ聴いたと思うが、その中で私の好きな作品の一つがこの『ワルツ(他人の顔)』(1966)だ。

安部公房の同名小説を原作にした映画『他人の顔』(監督:勅使河原宏)の音楽で官能的な旋律が印象的なワルツ。このような官能的な響きを創るセンスが武満徹の他の作曲家にはない魅力だったのだろう。(ところで、このビアホールのシーンの客の中には、安部公房や武満徹、秋山邦晴らがいるらしいが、この映像には映っているかな?)

この劇中曲『ワルツ』は、武満徹自身により弦楽合奏のための『3つの映画音楽』第3曲として編曲された他、多くの人にカヴァーされているようだ。ぼくは、石川セリのアルバム『翼 武満徹ポップ・ソングス』でアコーディオン奏者のCoba(小林靖宏)と歌ったものや(この1995年11月に発売されたアルバムは、武満徹が生前最後にリリースしたアルバムともなった。)、ショーロ・クラブが『武満徹ソングブック』で松田美緒と歌ったものが好きだ。

 
ところで、こちらは1996年にNHKで放映された追悼番組『武満徹が残したものは ~立花隆が伝える作曲家の「愛」~ 』。立花隆は、今日、武満徹の生前に行ったロングインタービューを基にした著作『武満徹・音楽創造への旅』を出版したそうだ。

他人の顔安部公房の同名小説を原作にした映画『他人の顔』(監督:勅使河原宏)

『Face of Another』歌手:前田美波里


武満徹が残したものは ~立花隆が伝える作曲家の「愛」~
1996年2月25日 NHK